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正義という共同幻想がもたらす本当の危機 武田鉄矢・今朝の三枚おろし

武田鉄矢・今朝の三枚おろし 2015年10月5日
「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい http://goo.gl/US18cR

「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」
「被害者遺族の気持ちを考えたことがあるのか」
「自分の身内が殺されてから言え」

今、この国ではこんな叫び声があちこちから聞こえてくる。
でも、そう叫んでいる人たちは、本当に被害者遺族の気持ちがわかると言えるのか?
本当にその気持ちを共有していると胸を張れるのか?
もし、そう言い切れるのなら、それこそ不遜だと思う。

被害者遺族の思いを想像することは大切だ。
でも、もっと大切なことは、自分の想像など遺族の思いには絶対に及ばないと気づくことだ。

被害者遺族の深い悲しみや絶望、自分を責める罪の意識や底知れない虚無。
これを当事者でもない者がリアルに共有することなどできない。
「被害者遺族の気持ちを考えたことがあるのか」と叫ぶ人たちは、
恨みや憎悪などの応報感情だけを共有しながら、一体化したかのような錯覚に陥っているだけだ。

そうした叫び声を上げる人たちを突き動かすのは、「自分たちは正義だ」という善意だ。
だから、そこには何のためらいも躊躇もない。
だって自分たちは「正義」なのだから。

だからこそ、そうした意識が集合体となり、「この社会を脅かすものを駆逐しなければならない」という民意が形成される。
その結果、この国では厳罰化が進み、さらには中国、韓国を仮想敵国とする強い自衛意識が生まれている。
「正義」という名の共同幻想を駆動力にしながら、加速度的に集団化が進んでいる。
危機を叫ぶメディアや政治家に煽られながら、社会の異物や仮想敵を探し続けている。

韓国、中国との関係が悪化する中、参院選では改憲を唱える自民党が圧勝した。
この国は今、どこへ向かおうとしているのか。
取り返しのつかない事態を避けるため、今何ができるのか。
パーソナリティ:武田鉄矢
アシスタント:水谷加奈
武田鉄矢 朝の三枚おろし より
画像
http://corpopo.exblog.jp/15610733/


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