シェルブールの雨傘　ポール・モーリア Les parapluis de Cherbourg

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シェルブールの雨傘　Les parapluis de Cherbourg

背景画（アルフォンス・ミュシャのリトグラフ）／ビザンティン風の頭部：ブ　ロンド／花：ユリ／夢想／四季：　春

　フランス映画「シェルブールの雨傘」は、傘屋の娘ジュヌヴィエーヴと自動車整備工ギィの恋物語です。堅く将来を誓い、新しい生命を宿した二人でしたが、ギィが戦場に招集され、消息が途絶えたとき、運命の歯車が狂います。互いに思いを残しながらも、二人はそれぞれ別の人と結婚してしまいます。クリスマスの夜、雨が雪に変わるころ、偶然にもギィのガソリンスタンド店に立ち寄ったジュヌヴィエーヴが、ギィの家族の幸せそうな生活を垣間見て、寂しそうに走り去るラスト・シーンが印象的です。

　映画の主題歌はギィの帰りを待ち続けるジュヌヴィエーヴの思いを歌にしたものです．彼女のせつない思いを19世紀末のパリで活躍したチェコ生まれの画家アルフォンス・ミュシャの作品で表現してみました。ミュシャのリトグラフ（銅版画）は女性の表情や仕草の愛らしさ、ドラマチックな画面構成、背景を飾る曲線の幾何学模様の美しさに特徴があります。ミュシャはアール・ヌーヴォー（新芸術）の騎手と称されましたが、彼の後ろに並ぶことのできた画家はいなかったと思います。