傘も持たず、横殴りの悲しみに雨曝しの君よ
どうか挫ける事無く、光に進め。
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一生消えない一行を。
「夏を待っていました」 2010.06.09 爆弾の作り方 より
君はまだ覚えてるかな 幼い頃の暑い六月 廃線になった線路を僕等はどこまで も歩いた乗り気で水筒なんかを ぶら下げてきた雅敏はおじちゃんに買ってもらったマウ ンテンバイクを自慢した
「けどな 俺はおじちゃんが嫌いなんだ 母ちゃんをいつも泣かせてばかりいるか ら」
僕は何だか気まずくなって目をそらしたんだ 雅敏の顔に大きな青痣があったか ら
降りだした夕立に走りだす つぶれた無人駅で雨宿り 明日は何して明後日は何し てくだらない話で笑い転げる 嵐の予感に胸が高鳴る あの時僕ら皆は確かに夏を待っていました
ここに居たくないってのと どこかに行きたいってのは 同じ意味なのかな なん にしろ歩こうか体育と部活が何より苦手な靖人は とうとう膝を抱えてこう呟いた「僕はいつも皆に置いてきぼりで 本当にダメなやつでごめんな」僕らはなんだか笑ってしまった つられて靖人も涙目で笑った
背の高い夏草でかくれんぼ 鬼は迫り来る時間の流れ もういいかいまだだよって 叫んだよ僕は今も見つからないままで あの時と同じ膝をかかえて部屋から青い空を見上 げて夏を待っていました
身長が高くて喧嘩が強い 太平はいつも無茶な遊びを思いつく「この鉄橋に一番 長くぶら下がったやつの 言うことは何でも聞かなきゃダメだ ぜ」僕らはびびって出来なかったけど 太平は平気な顔でぶら下がる7年後に太平はビルから飛び降りた そんな勇気なら無いほうが良かった
高層ビルの下でかくれんぼ あれから何年がたっただろう もういいかいまだだ よって声もないもしも今日があの日の続きなら 僕らの冒険を続けなくちゃ六月の空を僕は見上 げて夏を待っていました
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