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Americans in Paris-George Gershwin パリのアメリカ人

洗足学園音楽大学OB吹奏楽団

指揮 長縄洋

Americans in Paris,

パリのアメリカ人

20世紀のアメリカは娯楽大国であり、作曲家の数も多い。その中で全世界的な影響力をもった作曲家はジョージガーシュインただ一人と行っていい。ロシア系移民の子としてニューヨークマンハッタンの貧しい家庭に生まれ、1890年代のあらゆる娯楽音楽と共にショパンやドビッシーに親しみ、15歳で学校を中退して楽譜の出版社に就職。流行曲の楽譜セールスのために自らピアノを演奏する日々を送った。(レコードの普及以前、音楽に触れる唯一のお方法は実際に演奏する事だった)。とはいえ、心の中は、クラッシクの音楽家になること。その夢が叶ったのは、自作のポピュラーソングやミュージックやミュージカルがうれて人気作曲家になった後に発表した<ラプソインブルー
>(1922年)においてであり、ここでガーシュインが選んだ道は、クラッシックとジャズの融合であった。そんなガーシュインのピアノ協奏曲へ長調(1925年)に続く成功作が、1928年のヨーロッパ旅行の折に生まれた<パリのアメリカ人>である。

<ラプソインブルー>では、グローフェがオーケストレーションを担当したが、今回は自ら手掛け、同年12月にニューヨークのカーネギーホールでダムロッシュ指揮ニューヨークフィルハーモニックにより初演された。作曲者はこれをバレエ音楽と想定しており、初演の際のプログラムノートに粗筋を記している。
すなわち、一人のアメリカ人がパリの街をぶらぶら歩き(散歩の主題)、大都市の喧騒を味わう(タクシーのクラクション)、するとカフェから昔の流行歌が聴こえてくる。アメリカ人はここでしばし郷愁にふけり、ブルーな気分に(ミュートを付けたトランペット)。陽気なチャールストン(アレグロ)に勇気づけられ、再びパリの雑踏へ。チャールストン風の散歩の主題にフランス近代音楽風のしゃれた管弦楽が楽しい、ガーシュインのパリへのオマージュである。

当日のプログラムノート から
那須田務 (音楽評論家)


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