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CONDOR44 - Ru's rock(PV)

2007-01-24 out
Good Bye 44th music
型番:UKDZ-0058
価格:2310 円 (税込み)
レーベル:代沢レコード (DAIZAWA RECORDS)

彼らは一体何に「終焉」の刻印を押そうとしていて、一体何に執拗なまでに「別れ」 を告げようとしているのだろう? CONDOR44の、単独名義の作品としては実に4年半ぶりとなるアルバム『Good Bye 44th music』は、とても異様な作品だ。ほとんどすべての楽曲が「終わり」について、 あるいは「別れ」についての歌なのだ。たとえば、冒頭のRu's rockでは性急なビー トに駆り立てられるように「Good bye music Good bye rock」と吐き捨て、中盤の 終では柔らかいアコースティックギターの音色の狭間で儚げに「秋を成す詩のよう な あのコードだけが 遠くに鳴る それを 終わりという」と囁き、本編ラスト のendingではまるで来世から聴こえてくる木霊のようなホーンとフィードバックノ イズに紛れて「an all time high」と叫んでそのまま虚空へと消え去っていく——。 1999年に結成されたCONDOR44は、デビュー当時からソニック・ユースやヨ・ラ・テ ンゴといったアメリカ東海岸のバンド、あるいはマイ・ブラディ・ヴァレンタインと いった当時既に伝説化していたバンドとの音楽的な近似性が語られ、その荒涼とした
サウンドとそこに込められた世界観がうるさいギターロック・ファンたちを唸らせて いた。そして。時は2007年。かつて「ロックの終焉」と呼べるような音楽を奏でて いた海の向こうのバンドたちは、そのままフェードアウトしていくか、それぞれの役 割を終えてバンドとしての「幸福なる余生」を送っている。そして、巷に溢れている ロックは「ポストなんとか」とか「なんとかリバイバル」といったキャッチフレーズ に彩られた、未来派を気取った、あるいは古典主義に居直ったバンドばかりだ。ロッ クは今や、音楽として完全に一つの「古典」となり、その歴史を反復するだけの時期 に入っている。 CONDOR44のロックは、決して「ポストなんとか」でもなければ、「なんとかリバイバル」でもない。彼らはただ目の前にあるのっぺりとした「現在」を、つまり「ロッ クが終焉したはずの時代」から何一つ変わっていない今の世界の「空気」と「風景」
を繰り返し鳴らしているだけだ。何も鳴らすべきものがなければ、その「鳴らすべき もののなさ」を鳴らし続けよう。何も歌うべきものがなければ、その「歌うべきもの のなさ」について歌い続けよう。CONDOR44のロックは何よりも誠実だ。そして本当の 美しさは、誠実なものにしか宿らない。
宇野維正(FACT)

[official site] http://www.condor44.com/


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