Christian Gaubert　映画「パリは霧にぬれて」　La Maison sous les Arbres

1971年フランス制作。監督のルネ・クレマンは「鉄路の闘い」で名をあげ、「禁じられた遊び」でアカデミー外国映画賞に輝きました。そしてこの映画は「太陽がいっぱい」「雨の訪問者」につづくサスペンス仕立てで、クレマンのもう一方の顔といえそうです。主演はフェイ・ダナウェイ、フランク・ランジェラ、共演にバーバラ・パーキンスなどが出演しました。音楽はシャンソン歌手のジルベール・ベコーが作曲し、クリスチャン・ゴーベールが演奏を担当しました。ゴーベールといえばフランシス・レイの懐刀。彼の演奏を聴くとやっぱり「レイ」の影を感じてしまうのは予断の持ちすぎでしょうか・・・。さて原題を直訳しますと「家の木の下で」（英題　The　house　under　the　trees）となり『パリは霧にぬれて』とは似つかわしくない邦題を付けられたものです。私見ですが、恐らく4年前にクレマン監督で制作されたヒット作「パリは燃えているか」を多分に意識したのではないかと思います。