Jazz At The Philharmonic 1946
Al Killan, Howard McGhee (tp)
Charlie Parker, Willie Smith (as)
Lester Young (ts)
Arnold Ross (p)
Billy Hadnott (b)
Lee Young (d)
"Philharmonic Auditorium", Los Angeles, CA, January 28, 1946
Special Thanks "cdbpdx"
"1946 Charlie Parker Jazz - LADY BE GOOD - 9 Minutes of LIVE Jammin'!
http://youtu.be/4NrfybzpsnY
ジャズプロデューサーの偉才ノーマン・グランツは、1940年代にすでに芽吹いていた新時代のジャズを発掘し、それらの到来を心から待ち望んでいた聴衆へと提供しました。
ノーマン・グランツのプロデュース手法は、それまでの完成度の高いサウンドをアルバムとして提供しラジオを通じて浸透させていく方法と異なり、スタープレイヤーと新進気鋭のプレイヤーによるスリリングな大型ジャムセッションを開催し、熱狂的な生演奏そのままを群衆へとぶつけ、その群集の拍手や奇声とともにホットなオールスターセッションの興奮を収録、提供するものでした。
中間派ジャズとビバップの交錯する時代、スタープレイヤーには次のようなミュージシャンがノーマン・グランツによって選ばれ新鮮な瞬間を共有しました。J.Jジョンソン(tb)、イリノイ・ジャケー(ts)、レス・ポール(g)とナット「キング」コール(p & vo)、レスターヤング(ts)、フリップ・フィリップス(ts)、ロイ・エルドリッジ(tp)、そしてチャーリーパーカー(as)。この中でレスター・ヤングはプレズ(President 大統領)の愛称で中間派を代表するプレーヤーとして活躍していたわけですが、ビリーホリデー(vo)やパーカー、コールマン・ホーキンズ(ts)とすばらしいライブ演奏を行い、その内のいくつかの革命的な演奏がここに残されています。
ここにあげた「Jazz at the Philharmonic 1946」は、JATPの中からチャーリーパーカーがフィーチャーされた演奏をまとめたものです。パーカーファンはかつてボックス入りのレコード「Jazz At The Philharmonic 1944-1949」(完全収録版ではなかったと思います。)でしかこれらの素晴らしい演奏を聴くことができませんでしたから、才気溢れるパーカーが聴ける1946年のJ.A.T.P.の中からパーカーの演奏のみを集約したCDがあるというのは大変画期的だと思います。
さて、これらの演奏の中で特質すべきナンバーは何といっても「Oh, Lady Be Good」です。このパーカーのテーマからアドリブへと流れるフレーズの数々はとても美しく、後にVocalise(ヴォーカリーズ)の先達Eddie Jefferson(エディ・ジェファーソン)が歌詞をつけて歌ったほどです。かつて大和明氏がNHKのFM放送で流してくれたものをエアチェックして何度も繰り返し聴いたものですから懐かしさも人一倍あります。
今日、JATP1946のようなダンディズムに酔いしれる瞬間を得られなくなってしまいました。せめて一週間の終わりの日曜日には、昔のことを思い出してパーカーやC.ホーキンス、プレズの音楽に浸るのもいいかもしれません。