♪水面に映る森羅万象を繊細に描写
「映像」は全4集からなるピアノ曲および管弦楽曲集です。
第1集と第2集はピアノ曲で、第3集は「管弦楽のための映像」
という名で呼ばれることもあります。
そして第4集は、生前には発表されなかったピアノ曲集
「忘れられた映像」です。
「映像 第1集」についてドビュッシーは出版社に宛てた手紙で
「この曲集はよくまとまっていると思います。
ピアノ音楽の歴史においても、
シューマンの左あるいはショパンの右に置かれるでしょう。」
と自信のほどをのぞかせています。
「水の反映」は「映像」全曲中のトップを飾る曲です。
リストの「エステ荘の噴水」に影響を受けた曲として、
しばしばラヴェルの「水の戯れ」と比較されますが、
ラヴェルが水そのものの動きを描写したのに対しドビュッシーは、
絶えず揺らめき変化する水面の様子を描いています。