R指定　波乱万丈、椿唄 二千十三

暮れる 都 手鞠 遊び懐かし
今亡き 祖母の顔 思いだせるだろうか
五月 悲しきかな こいのぼりもやいやいと
燃やした竹薮は 確か此処だった

子守唄 響くは薮知れず
良い子はねんねしな
おやすみ

午前零時の鐘がなる 其の時に うごめくは おぼろ月
徒然に身を重ねましょう
疑心暗鬼の花が咲く 高らかに 渡る世は 鬼ばかり
浮船に身をまかせる

黄金色した蜘蛛 他人行儀さらいらいと
飴玉一つだけ おくれ、おくれや

三日もすりゃ 猫など恩知らず
今宵 獄の晩
さよなら

光る少女は籠の中 踊りゃんせ
浮世道通りゃんせ
人生は 嗚呼、波瀾万丈
知らん顔したあの人が 来やしゃんせ
品定め 嫌しゃんせ
奪われし 儚き春
遠き春 帰れぬ春

前略父と母 筆を走らせても
溢れるのは 五月雨涙 ただそれだけ

午前零時の鐘が鳴る 其の時に うごめくは おぼろ月
徒然に身を重ねましょう
疑心暗鬼の花が咲く 高らかに 渡る世は 鬼ばかり
浮船に身をまかせる
凛と鳴く 小春日和