巻六・〇九九二
故郷の 飛鳥はあれど あをによし 平城の明日香を 見らくし好しも
大伴坂上郎女
【故郷であり、かつて都のあった飛鳥も良いけれど、
今の都である奈良の明日香を見るのも良いことだ。】
飛鳥寺と呼ばれ、親しまれてきた元興寺は、平城京遷都にともない奈良の都に移されました。
この歌の作者は、かつての飛鳥に心では惹かれつつ今の都である奈良の明日香の繁栄ぶり、そして彩り鮮やかな美しい都を見るのは良いと歌っています。
「あをによし」は奈良にかかる枕詞です。「あをに」とは青い土を意味しました。それが豪華絢爛な都になることで、華やかな青と赤を意味する言葉へと変化します。美しさの概念が変わることで、言葉の意味も変化したのです。
懐かしく心に残る故郷の飛鳥と、最新式で美しい今の都、奈良の明日香。
まるでモノトーンの世界から、色彩豊かな世界へと変貌をとげた都。その良さを素直に受け止めることのできた万葉人だからこそ、いい言葉や素晴らしい価値観は、カタチを変えながらも残り続けたのでしょう。
「万葉集ココロ・ニ・マド・ヲ」
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「美しき日本」 https://www.youtube.com/playlist?list=PLpkJ7tS2R48IoEtTqEOCi7Ecgm-8pQxTr
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