Bud　Powell　（バド・パウエル）　'Round　About　Midnight

バド・パウエルはセロニアス・モンクの弟子と言われています。パウエルは10代後半でデビュー（クーティ・ウイリアムス楽団で初のレコーディング）し、その天才ぶりを世に知らしめました。1947年には初のリーダー作をROOSTレーベルに録音し、その後Mercuryレーベルから数枚出し、やがてBLUE　NOTEにAMAZINGシリーズを録音していきました。この時期、つまり40年代後半から50年代前半がパウエルの絶頂期といえそうです。50年代後半にはパウエルらしさが影を潜め残されたレコードを聴く限りでは、平凡な演奏が続きました。そんな折1959年頃パウエルはフランスに渡りパリを拠点に活動の場を移したのです。これより、北欧デンマークやスイス、ドイツなどでツアーを行い精力的にレコーディングもなされました。しかし、何といってもパリでのレコーディングが多く、パウエルにとっても住み心地の良い街だったことがうかがい知れるところです。さて、モンクの代表曲「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」ですが、パウエルは過去にも幾度となく演奏しまた録音が残されています。そして、この演奏を聴くとパリという土壌で彼はリラックスしてピアノに向かっている、そんな風景が目に浮かぶ気がします。