☆遠音☆公式☆HP http://www.tone-take1.com/ ☆☆☆CD尺八 http://tone-take1.shop-pro.jp/?pid=34... 「Koto and Shakuhachi and guitar playing」 「尺八と箏:ギターによるグループ」 「和楽器」が主流 。写真は(故 浦島 甲一氏) みしみしと力強く。山道を行く旅人のわらじが、地面を踏みしめる。 「今日は何里歩いたろう」。旅人は、ようやく峠にさしかかる。 額にはうっすらと汗が浮き出、団子とかかれた茶屋ののぼり旗が目に飛びこんでくる。ふと顔を上げると、そびえたつ富士の山・・・ 広重の『東海道五十三次』の一場面が鮮やかに目に浮かんでくるような、どこか懐かしい情景。遠音の持つ、独特の世界観がそこにある。 山道を踏みしめる旅人の一歩一歩は、遠音の紡ぐ一音一音に通ずる。 遠音は日本の伝統楽器を使用しながらも、「尺八らしく、筝らしく」聞こえる奏法だけに頼ることなく、音の一つひとつにこだわって創作を続けてきた。 尺八、筝、ギターというシンプルな編成ながら、音の細胞が増殖しているかのようにふくよかさを醸し、あたかもオーケストラ編成までを思わせる広がりをもつのはそれゆえだ。 遠音は、88年の結成後、メンバーの生まれ育った故郷、北海道をテーマに活動を行ってきた。今回のアルバムでは、初めて日本という大きなくくりでイメージを膨らませたという。 「これまで、私たちは北海道をイメージして曲を創ってきましたが、北海道以外の場所に住む、全国各地の方から懐かしいという感想をいただくことが多かったんです。私たちのなかでは北海道の原風景であっても、聴く方によって描かれる情景は違う。それでも、なぜか懐かしいという感覚は共通なんですね。では、懐かしいとはどんな感覚なんだろう? と思ったとき、知ってるではなく、知ってるような気がするでもいいのかもしれないと・・・。たとえば、広重の浮世絵を見て、日本人なら誰しも懐かしいと思うわけです。でも、いま生きている我々のなかで、誰もあの風景に身をおいた経験はないし、ましてやあの時代の峠の茶屋でお団子を食べたことはない(笑)。それでも、懐かしいと感じられる記憶が、私たちには備わってるんだと思います」そう、三塚氏はいう。 日本人のDNAにどこかしら組み込まれている、そんな懐かしさ。 三塚氏はそれを、実際には体験してはいない、遠い記憶と呼んだ。 広重の旅の情景だけでなく、河や森、雪景色や茜雲など、日本の自然から切り取られた懐かしさも、アルバム全編に貫かれている。